法話
今月の法語(令和6年5月)
「息抜き」
「息抜き」という言葉は、ティータイムや漫画を読んだりする時に、軽い意味で使うことが多いと思いますが、それは実は「生き抜く力」を養うための大切な行為のようです。
昔、武道に励んでいた時、稽古の終盤にさしかかると、身体がクタクタに疲れてくるのですが、その様なタイミングで先生が「呼吸」という言葉を大声で発声すると、みんな一斉に力士の腰割の様にストンと腰を落として同時に腕を後ろに引いて大きく胸を開いて深く呼吸を行います。そうすると限界を迎えていた身体がもうひと頑張りできる状態に回復するのでした。あれは「息抜き」であったのではないかと思います。
仏教を聞いて、「お先真っ暗」の状態から
「何とか生きてみよう」という心境に至ることもございますが、これなどまさに生き抜く力を養う「息抜き」なのではないでしょうか。