本願寺西山別院

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法話

今月の法語(令和6年7月)

「人生の予報」

今年は梅雨がなく、夏になるのかなーとさえ思わせていただく毎日です。
6月・7月にもなれば、梅雨の時節となることでしょう。
毎日天候を気にしながら、洗濯や外出の準備をしなければなりません。
しかしながら、現代には便利な天気予報なる情報があり、大まかな天候の動きを知ることができます。
私も毎日のように天気予報を見て、傘は必要かどうかチェックしています。どれだけ、予報に助けられているか。
私たちの人生にも、予報があればどれほどありがたいことでしょう。
けれど、よくよく考えてみると私の人生の予報はすでにしてくださっています。
「お釈迦様」です。お釈迦様は生まれた限り、人は間違いなく老い、病み(やみ)、死んでいかねばならない、そして先に生まれたものから死んでいく、などの順番がないとおっしゃっています。
しかし、それを聞かされても、わたしは「分かりきっていること」と思ってしまいます。とは思いながらも、現実味がなくそれを自分のこととして受け止めようとしない私がおります。
そこに人間の悲しい姿があります。
受け止めるどころか、そこから必死に逃げようとしているのが私たちではないでしょうか。
それをお釈迦様は迷いというのです。
それは、ちょうど梅雨の真っただ中にもかかわらず、「今日は雨が降らないだろう」と外へ出て行き、やがて激しく降ってくる雨に打たれながら、こんなはずではなかったと愚痴をこぼすような姿のことではないでしょうか。
阿弥陀如来はそうした私たちを心配し、「どんな時も私が一緒ですよ」と励まされ、迷いという冷たい雨に濡れた私をそのまま優しく抱き取って下さっています。迷いの中の私たちと共に、歩んでいてくださるのです。
安心して、共に歩ませていただきましょう。