法話
今月の法語(令和6年8月)
「他力回向の信心」
「他力の信」とは、
「私が他力を信じる」という立場で、自分の心で他力を信じるということです。
「他力回向の信心」とは、
私が信じる心も他力のはたらきであるという立場です。
自分の心によってつくりあげた「信」は、
自分の都合や状況により変化しますが、
親鸞聖人の師である源空聖人は、次のように仰って、
「信心」とは、私が起こす
「自力の心」ではなく、
如来より賜った「他力の信心」である
と示してくださいました。
法然聖人の仰せには、
「源空(法然)が信心も、
「如来よりたまはりたる信心なり、
善信房(親鸞)の信心も、
「如来よりたまはらせたまひたる信心なり。
さればただ一つなり。」
『歎異抄』(註釈版聖典852ページ)
「たまはりたる」は「回向」のことで、
「如来よりたまはりたる信心」とは、
私が信じようと力んで信じた信心ではなく、
「われを信じよ」という阿弥陀如来のはたらきによって恵まれた
「他力回向の信心」のことなのです。