今月の法語(令和8年3月)
うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる
相田みつを
三人兄弟であった私の食卓は常に戦いでした。
少しでも目を離そうというものなら、たちまちに晩ご飯のおかずが消えてしまいます。
残ったのは、付け合わせの野菜だけです。
兄弟は各々考えて、先に取っておいたり、母親にどれくらい作るのかきいたり、、、
いつも満足することはなかったように思います。
関西では、大勢の人とご飯を食べたときに一つ唐揚げが余ることを
「えんりょのかたまり」といいます。
それに限らず、誰かとシェアをして食べるとき、奪い合ったり、
おなか一杯にならなくてもう一つ頼んだり、ということはないように思います。
与える訳ではなく、「わけ合う」
ここで使われることばには上下関係はなく、
全て対等な立場から表されているのではないでしょうか。
仏教には「小欲知足」(少欲にして足るを知る)という言葉があります。
欲望は求めれば求めるほど、無限に湧いてきます。
お釈迦様はこれを(貪欲・とんよく)と言い苦しみの一つとして表されました。
「小欲知足」とは自己を見つめなおし、私にはこれで十分である、と自覚することによって、
欲望にとらわれた生き方を戒める言葉であります。
今月のことばは、物に満たされることは
必ずしも精神的に満たされることではないことを表しています。
むしろ物に満たされていなくても、精神的に満たされることはあるということですね。
欲望を一切絶つことは難しいですが、私にはこれで十分だ、と思うことはできるかもしれませんね。
自己を見つめなおし周りに目を向け、日々を過ごさせていただきましょう。
合掌
