「 名 号 」


一般に仏さま・菩薩さまのお名前を名号(みょうごう)といいます。
浄土真宗においては、本堂内やお仏壇の正面にご安置させていただいている阿弥陀如来さまの名を指し、
「南無(なも)阿弥陀仏(あみだぶつ)」という六字の名号をはじめ、
他にも「南無(なも)不可思議光(ふかしぎこう)如来(にょらい)」という九字名号や
「帰命尽(きみょうじん)十方無礙光(じっぽうむげこう)如来(にょらい)」という十字名号などもあります。
名号とは「名をもって号す」ということで、自らの存在を大声で名のるという意味をもっています。
「南無阿弥陀仏」とは、私が阿弥陀さまに対して自らの願いを届ける言葉ではありません。
阿弥陀さまが私にその存在を名のり、
「この阿弥陀がいるから安心して南無してくれよ（まかせてくれよ）」
と告げてくださっているおよび声なのです。
寂しさを抱え、ひとりぼっちで命終わっていくしかない私に
「あなたは決してひとりじゃないよ」と、
声の仏・ことばの仏となって届いてくださっているお方が
阿弥陀如来という仏さまです。